Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT関連技術や数学の備忘録

複素数体の楕円曲線等分点の群構造を調べる その2

今度は3等分点を考えます。
まず、複素数体の楕円曲線の標数が2でも3でもないことを仮定します。
標数というのは、こちら

標数 - Wikipedia

によると、複素数の単位元(実数の1)をn個加算したものが、ゼロ元(実数の0)になる場合のnです。 つまり、複素数体の体演算にmod nが課されている場合を指します。

標数が2でも3でもないとき、その楕円曲線は以下の式で表せます。
 y^{2} = x^{3} + A x + B

3等分点ですから、 3P = Oを満たします。変形して、 2P = -Pです。
これは両辺のx座標は等しいということを表すので、
2Pのx座標は、 m^{2} - 2x
ここで m = (\frac {3 x^{2} + A } { 2y })^{2}
-Pのx座標は、 xなので、これを等しいと置いて、
 m^{2} - 2x = xが得られます。
変形して、 3x = ( \frac {3 x^{2} + A} {2y})^{2}
 3x \cdot 4 y^{2} = {3x^{2} + A}^{2}
 y^{2} = x^{3} + Ax + Bを使うと
 12x (x^{3} + Ax + B) = (3x^{2} + A)^{2}
 12x^{4} + 12Ax^{2} + 12Bx = 9x^{4} + 6Ax^{2} + A^{2}
 3x^{4} + 6Ax^{2} + 12Bx - A^{2} = 0
 x^{4} + 2Ax^{2} + 4Bx - \frac {A^{2}} {3} = 0

これはxの4次方程式です。
このxの複素数解が重根を持たないことを示します。
それには4次方程式の判別式Dを計算します。
 t^{4} + xt^{2} + yt + z=0の判別式は、
 D = 256 z^{3} - 128 x^{2} z^{2} + (144y^{2}x + 16x^{4})z - 4y^{2}x^{3} - 27y^{4} とかけます。

http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~myoshida/stlasadisc.pdf

ここで、 x = 2A, y = 4B, z = - \frac {A^{2}} {3}なので、代入していけばよいですが、
分母がでるのがいやなので、27Dを計算していきます。
 27D = 256 (3z)^{3} - 128x^{2} 3 (3z)^{2} + 9 (144y^{2}x + 16x^{4})(3z) - 4 \cdot 27y^{2}x^{3} - 27 \cdot 27y^{4}
 = - 4096 A^{6} - 55296 A^{3} B^{2} - 186624 B^{4}
 = - 256 (4A^{3} + 27B^{2})^{2}
となり、0にはならないので、重根をもたないことが分かります。
これにより、xが4つの複素数を取りうることが分かります。
点P(x,y)が楕円曲線上にあるとき、点-P(x,-y)も楕円曲線上にありますから、
xが4通り、yが2通りで、8つの点が解であることが分かります。
当然ながら、無限遠点Oも解なので、3等分点は9つあることが分かりました。
これらの点の加算結果をならべて、群がどうなるかを具体的に調べたいところですが、
計算がなかなかしんどいので結果だけを書くと、
 Z_3 \times Z_3となることが知られています。

標数が2や3の場合はまた別の結果になりますが、今回はここまでとしておきます。

プライバシーポリシー

お問い合わせ

スポンサーリンク