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複素数体の楕円曲線等分点の群構造を調べる その3

やっと本命の定理です。

定理 Eを体K上の楕円曲線として、nを正の整数とする。
体Kの標数がnを割り切らないまたは0のとき、Eのn等分点のなす群は Z_n Z_nの直積に等しい。
 E [ n ] = Z_n \oplus Z_n
体Kの標数がp>0で p \mid n,  n = {p}^{r} m,  p \nmid mであるとき、
 E [ n ] = Z_m \oplus Z_m または  Z_n \oplus Z_mである。

この定理の証明はものすごく長いので、省略します。
知りたい方で時間がある方は、以下に載っていますので挑戦してみてください。

Elliptic Curves: Number Theory and Cryptography, Second Edition (Discrete Mathematics and Its Applications)

Elliptic Curves: Number Theory and Cryptography, Second Edition (Discrete Mathematics and Its Applications)

ここでは、体Kの標数が0より大きい整数で、nを割り切らない場合だけを考えます。
そのとき、
 E [ n ] = Z_n \oplus Z_n
です。
これは、前にやった演算の表で表すと、

x x2 x3 .. xn-1 y y2 y3 .. yn-1 xy x2 y x y2 x2 y2 .. xn-1 yn-1
x
x2
..

のようになっていることを意味します。
この表では群の演算を乗算で表現していますが、楕円曲線の点は加算で表現しますので、これ以降は加算の記号を使います。
この群の元は2つの巡回群 Z_nの直積ですから、xを \beta_1 yを \beta_2 で表すと、
任意の元は m_1 \beta_1 + m_2 \beta_2 (mは整数,  0 \le m_1 \lt n, 0 \le m_2 \lt n)と表現できます。

ここで、 E [ n ] から  E [ n ] への同型写像(isomorphism)  \alphaを考えます。
同型写像とは、全単射(bijective)な準同型写像(homomorphism)のことです。
 \beta_1の写像 \alpha (\beta_1) m_1 \beta_1 + m_2 \beta_2と書け、
 \beta_2の写像 \alpha (\beta_2) l_1 \beta_1 + l_2 \beta_2と書けます。
したがって、この同型写像 \alpha 2 \times 2行列

$$ \left( \begin{array}{ccc} m_1 & m_2 \\ l_1 & l_2 \\ \end{array} \right) $$

で表現されるということが分かります。

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