Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT関連技術や数学の備忘録

j不変量(j invariant)

SL(2, Z)とモジュラー性 - Pebble Coding

こちらの記事で G_3(\frac {a \tau + b} {c \tau + d}) = (c\tau + d)^{3} G_3(\tau)であることをみましたが、
一般に G_k(\frac {a \tau + b} {c \tau + d}) = (c\tau + d)^{k} G_k(\tau)であることが確かめられます。
 g_2(\tau) = 60G_4(\tau),  g_3(\tau) = 140 G_6(\tau)と定義されているので、

 \Delta(\frac {a \tau + b} {c \tau + d}) = {g_2}^{3} - 27 {g_3}^{2} = 60^{3} \cdot G_4^{3} - 27 \cdot {140}^{2} \cdot G_6^{2}
 = {(c \tau + d)}^{12} (60^{3} \cdot G_4(\tau)^{3} - 27 \cdot {140}^{2} \cdot G_6(\tau)^{2}) = {(c \tau + d)}^{12} \Delta(\tau)
同じように、 g_2(\frac {a \tau + b} {c \tau + d})^{3} = {(c \tau + d)}^{12} g_2(\tau)

楕円曲線のデルタの逆数のq展開の係数が整数であることの証明 - Pebble Coding

こちらの記事に出てきた  \Delta g_2 を使って  j( \tau ) = 1728 \frac {{g_2}^{3}} {\Delta} と定義します。
こちらはj不変量と呼ばれています。
上で計算した式を使うと、
 j(\frac {a \tau + b} {c \tau + d}) = j(\tau) が成り立つのがわかります。
成り立つ条件をきちんと書いておくと、 a, b, c, d \in Z, ad - bc = 1です。
この条件は SL(2, Z)とも表現されます。
また、 \tauは upper half plane つまり、複素平面の虚部y>0の範囲内の複素数です。
なぜ上半分だけなのかというと、それ以外の位置では、定義の式が発散してしまい都合が悪いからです。
 G_k(\tau)の式は、 q = e^{2 \pi i \tau}を使ってqの無限多項式で表すことができますが、
 \tau = x + iy, x,y \in Rとすると、
 q = e^{2 \pi i x} \cdot e^{-2 \pi y}となります。
qのべきが大きくなるほど値を小さくするには、 y \gt 0が必要になります。

jのq展開式は次のような形をしています。
 j(\tau) = \frac {1} {q} + 744 + 196884 q + 21493760 q^{2} + 864299970 q^{3} + ..
上の記事から、この係数は全て整数であることもわかります。

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