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ソフトウェアエンジニアによるIT関連技術や数学の備忘録

複素数体(C)上の同種写像(isogenies), C/LとE(C)は同型

複数数体(C)上の楕円曲線はLattice(格子)によって決まります。
格子は、2つの複素数  \omega_1, \omega_2の複素ベクトルによって作られます。
 Z \omega_1 + Z \omega_2が格子ですが、無限個の頂点から成ります。
格子Lという時、点の集まりのことを指しています。

 L_1
 \omega_1 = 1, \omega_2 = i
 Z + Z i
ガウス整数からなる格子と言えます。

 L_2
 \omega_1 = 1 + i, \omega_2 = 1-i
 Z (1 + i) + Z (1 - i)
45度傾いた格子と言えます。

格子の繰り返しの原点(0, 0)の位置を含む一つの平行四辺形の領域を格子(lattice)に対する
fundamental parallelogramと呼びます。
上の例ではどちらも正方形ですが、一般には平行四辺形になります。
ここで、ある関数 \wp(z)(ペー関数)を考えます。
この平行四辺形で格子が一つすすんだ時に \wp(z)の関数値が同じになる性質のものを考えます。
この関数は \omega_1 \omega_2の2つの周期を持つので、2重周期関数と呼ばれます。
fundamental parallelogram内をzが動き回る時、この関数 \wp(z)とその微分関数 \wp'(z)は、
楕円曲線Eの方程式を満たすことが知られています。
この関数は2重周期を持つので、どの平行四辺形で動かしても、同じです。
そこで、fundamental parallelogram内をzが動き回る時、別の平行四辺形で動かすのと同じであることを示すように、
格子Lでの商群を考えることになるため、
 E: C/Lと表現します。
例としてあげた2つの格子 L_1, L_2は、45度回転させて、 \sqrt {2}倍すると、一致させることができます。
この関係を楕円曲線で表現したものが、同種写像(isogenies)です。
楕円曲線 E: C/L_1 上の値zから楕円曲線 E: C/L_2上の値へ写す写像として、 1 + iを考えると、
 (1+i) L_1 = L_2 であると言えます。
 (1+i) 1 = 1 + i
 (1+i) i = -1 + i
 (1+i) (-1) = -1 -i
 (1+i) (-i) = 1 + i
45度回転している様子が分かります。
一般化した場合、
 \omega_1' = a \omega_1 + b \omega_2
 \omega_2' = c \omega_1 + d \omega_2
となりますが、上の例では、
a = 1, b = 1, c = 1, d = -1を選んだことに相当します。

正方形の場合も一般の平行四辺形の場合も、面積は実数倍になりますが、ここでは、整数倍になる場合だけを考えます。
上の例では面積が2倍になっていますが、この面積の比率 \in Zのことをdegree(次数)と呼び出す。
この次数をNと表して、 L_1 L_2へ写す写像 \alphaがあり、その次数が整数であるとき、
N isogenousであると言います。

面積の比率はad-bcになります。
ad-bcが整数になる範囲内で考えていることになります。

C/L の加法群とE(C)の点の加法群は同型


C/Lは、Fundamental Parallelogram上の任意の複素数 z_1 z_2を取り、
複素数の加法を使い、 z_1 + z_2 を加法とする群を表します。
複素数の加法の結果 z_1 + z_2がFundamental Parallelogramからはみ出した場合は、折り返して、Fundamental Parralegram上に入るようにします。

E(C)は 、複素数体上の楕円曲線の点の加法を加法とする群を表します。
つまり、 P_1(x_1, y_1) + P_2(x_2, y_2) = P_3(x_3, y_3)
ここで、
 P_1(x_1, y_1) = (\wp(z_1), \wp'(z_1))
 P_2(x_2, y_2) = (\wp(z_2), \wp'(z_2))
 P_3(x_3, y_3) = (\wp(z_3), \wp'(z_3))

C/L の加法群とE(C)の点の加法群はある写像で同型になることが知られています。

この2つの群が同型(isomophic)であるとは、ある写像
 \Phi: C/L \rightarrow E(C)
が存在し、全ての元 z_1, z_2 \in C/Lに対して、
 \Phi(z_1) + \Phi(z_2) = \Phi(z_1 + z_2)
が成り立つということです。

ある写像とはC/Lの元zを楕円曲線上の点P (\wp(z), \wp'(z))に写す写像 \Phiです。

n等倍点


C/Lにおいて、Fundamental Prallelogramを3かける3に等倍に分割した平行四辺形を考えます。
その頂点は
 z_1 = 0, z_2 = \frac {\omega_1} {3}, z_3 = \frac {2 \omega_1} {3}
 z_4 =  \frac {\omega_2} {3}, z_5 = \frac {\omega_1} {3} + \frac {\omega_2} {3}, z_6 = \frac {2 \omega_1} {3} + \frac {\omega_2} {3}
 z_7 = \frac {2 \omega_2} {3}, z_8 = \frac {\omega_1} {3} + \frac {2 \omega_2} {3}, z_9 = \frac {2 \omega_1} {3} + \frac {2 \omega_2} {3}
となります。

 z_2 + z_2 + z_2 + z_2 = \frac {\omega_1} {3} + \frac {\omega_1} {3} + \frac {\omega_1} {3} + \frac {\omega_1} {3} = \frac {\omega_1} {3} + \omega_1 = \frac {\omega_1} {3}
つまり、
 z_2 = 3 z_2 + z_2
これを対応するE(C)上の群で考えると、
 P_2 + P_2 + P_2 + P_2 = P_2 + 3 P_2 = P_2となります。
これは 3 P_2 = O(無限遠点)ということです。
 \omega_2についても同じことが言えるので、
E(C)上の3倍したらOになる点の集合は要素が9つあり、群 Z_3 \oplus Z_3と同型であることが分かります。
一般にn倍したらOになる楕円曲線上の点の集合を E[n]と書き、n等倍点と呼びます。
E(C)上のn等倍点は群 Z_n \oplus Z_nと同型であることが分かります。
さらに一般化して、標数0の体Kの閉包 \overline K上のEのn等倍点も群 Z_n \oplus Z_nと同型であることが知られています。

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