Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT関連技術や数学の備忘録

モジュラー形式その3

fを複素上半面 \mathbb Hの有理関数(meromorphic function)とする。
 f(\gamma z) = (cz + d)^{k} f(z)
が全ての \gamma =  \begin{pmatrix}
a & b \\
c & d \\
\end{pmatrix} \in SL_2(\mathbb Z), z \in \mathbb H
について成り立つとき、fを重さ(weight) k \in \mathbb Zの弱モジュラー(weakly modular)と呼ぶ。

 G_k(z) = \sum_{m, n \in Z, (m, n) \ne (0, 0)} \frac {1} {(mz + n)^{k}}
と定義する。
kが負の値のときは発散するので考えない。
kが奇数のときは右辺は0になるので考えない。
k=2のときは右辺は収束しないので、別の定義を使う。
kが4以上のときは、右辺は収束するのでこの定義のままでよい。
kが4以上のときは、 G_k(z)は重さkの弱モジュラーである。

現れる複雑な係数に煩わされるのを避けるため、
 E_k(z) := - \frac {k!} {(2 \pi i)^{k}} \frac {1} {B_{k}} G_k(z)
と定義して使う。
この定義はKoblitzのIntroduction to Elliptic Curves and Modular Formsの本によるものである。

 E_k(z) = 1 - \frac {2k} {B_k} \sum_{n=1}^{\infty} \sigma_{k-1}(n) q^{n} (式A)
である。 B_kはベルヌーイ数である。
シグマは整数nを割り切る0より大きい整数のk乗の和である。
 \sigma_{k}(n) = \sum_{d|n, d \gt 0} d^{k}

式(A)は4以上のkに対する E_k(z)だが、k=2の場合もwell-definedな式なので、
 E_2(z)は式(A)を用いて定義する。

 E_2(z+1) = E_2(z)
 \frac {1} {z^{2}} E_2(-1/z) = E_2(z) + \frac {12} {2 \pi i z}
であり、k=2の場合だけ、弱モジュラーではない。

 \Delta = \frac {(240 E_4)^{3} - (504 E_6)^{2}} {1728}
と定義する。

以下の3つが成り立つとき、関数f(z)をモジュラー形式(modular form)と呼ぶ
i) f(z)が弱モジュラーである。
ii) f(z)が有理関数である。
iii) zが i \inftyのとき、f(z)が有限である。

さらに
iv)zが i \inftyのとき、f(z)が0である。
が成り立つときは、カスプ形式(cusp form)と呼ぶ。

重さkのモジュラー形式の \mathbb C ベクトル空間を M_kと表す。
その部分集合であるカスプ形式を S_k \subseteq M_kで表す。

f, gを重さkのモジュラー形式とし、それぞれ
 f = \sum_{n=0}^{\infty} a_n q^{n}
 g = \sum_{n=0}^{\infty} b_n q^{n}
とし、 a_i = b_j j = 0, 1, ..., floor (k/12)について成り立つとき、f=gが成り立つ。
これはモジュラー形式の強力な定理なので、2つのモジュラー形式が等しいかどうかを
有限個の係数の比較で済ませることができる。

任意の f \in M_kについて、fは次の形に表される。
 f(z) = \sum_{4i + 6j=k} c_{i, j} {E_4(z)}^{i} {E_6(z)}^{j}
 c_{i, j} \in \mathbb C



http://www.few.vu.nl/~sdn249/modularforms16/Notes.pdf

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